ソファの選び方のポイント
ソファの理解を深める
ソファの基本的な理解を深めることが、選び方の第一歩です。「どんな種類があるのか」「構造はどうなっていて、何が使用されているのか」「張地の素材と、色やデザインについて」など、知っておくべきポイントはいくつかあります。これらをざっくりとでも、ひと通り把握できていれば、適したソファをスムーズに見つけることが可能です。下章より、詳しく解説していきます。
用途を具体的に考える
上記の次に、どういった使い方をするのか、ソファの用途を具体的にイメージしてみてください。例えば「一人または家族や友人とくつろぐ場所にする」「テーブルに向かって食事や作業をする」「来客の応接に使う」といった具合です。用途によって、適したソファの種類は異なります。購入後の失敗を防ぐため、用途にあう種類を選びましょう。さらに用途がはっきりしていると、選ぶ対象のソファがしぼれるので、簡単に探せますよ。
サイズもすごく重要
ソファの選び方として、サイズもすごく重要です。何人用かはもちろん、存在感や圧迫感と、生活スペースへの影響は、ソファの大きさがダイレクトに関係してきます。さらに、座り心地と立ち座りのしやすさ、テーブルや机との相性など、使用感もサイズによって左右されるものです。サイズについては、下記リンクの記事で詳しく解説しています。最適なソファ探しのため、ぜひチェックしてくださいね。
ソファの種類と名前
ストレートソファ
座席が横一列に並んだ、オーソドックスな種類が、ストレートソファです。ソファと聞いて、多くの人が思い浮かべる形でしょう。ストレートソファのほかに何があるの?と思うかもしれません。それは、おもにL字型というタイプで、カウチやコーナーソファが該当します。さらに凸字型や、凹字型(コの字型)も。2人から3人掛けはストレートソファ、3人掛け以上はL字型ソファが多くなります。
ラブソファ
小さめの2人掛けソファは「ラブソファ」と呼ばれることがあります。名前から想像できる通り、パートナーとくっつくように座れるソファです。コンパクトなサイズのため、2人一緒だとゆったり座れない代わりに、あまり場所を取らずにすみます。1人なら広々と座れるので、ワイドな1人掛けソファとして使う方法もグッドです。
ベンチソファ
一般的に、背もたれ付きの長椅子がソファ、背もたれ無しの長椅子がベンチです。そして、クッション性のある座面を備えたベンチが、ベンチソファになります。ただ、簡素なつくりのソファをベンチソファと呼ぶ場合もあり、定義はあいまいです。背もたれが無いベンチのメリットは「圧迫感がない」「左右に人が座っている間の席でも、周りの人が動かずに、背面から出入りできる」など。デメリットは「くつろげない」ことです。ダイニングでの利用に向いています。
ダイニングソファ
ダイニングテーブルに適したソファが、ダイニングソファです。「座面は、固めで奥行きが浅い」「背もたれは、低めで垂直に近い」という特徴があります。そのおかげで、座りながらテーブル上での食事や作業がしやすいです。でも、あまりくつろげないことが難点。そして、ダイニングテーブルとソファをあわせる様式を、ソファダイニングといいます。詳細は、下記リンクの記事をご覧ください。
リクライニングソファ
リクライニングソファは、背もたれを後ろに倒せるソファです。加えて、肘掛けを外側へ倒せるタイプも多くあります。倒せる角度は、数段階式が一般的。状況にあわせ、ちょうどよい角度をキープできるでしょう。また、コンパクトなサイズでも、背もたれと肘掛けを倒せば、寝転がれる広さになります。難点は「耐久性が劣りがち」「背もたれや肘掛けの倒れるスペースを空けておく必要があるため、意外に場所を取る」ことです。
ソファーベッド
ソファーベッドは、ベッドに変形できるソファです。変形方法でいくつかの種類に分けられます。「リクライニングソファと同じように背もたれを倒すタイプ」「折りたたみ式」「引き出し式の座面を広げるタイプ」です。ソファとベッドが1台ですみ、一人暮らしのワンルームなど、狭いお部屋に最適!と思われやすいですが、デメリットが多いため注意してください。ソファーベッドの詳細は、下記リンクの記事で解説しています。
カウチソファ
カウチソファ(別名:シェーズロングソファ)は、足を伸ばしたまま座れるソファです。座面が長い形状になっていて、腰から足まで乗せられます。複数人掛けはL字型となり、コーナーソファの分類にする場合も。普通のソファとオットマンのセットが、カウチソファの名前で販売されていることも多いです。カウチソファの詳細は、下記リンク記事をご覧ください。
コーナーソファ
コーナーソファは、角(かど)があるL字のように、座席が並ぶソファです。ソファの座席が、ズラーっと横一列にいくつも並ぶと、配置が難しくなりますよね。コーナー形ならレイアウトしやすいです。一般的には、部屋の角にあわせて配置します。ソファの両端に座った人同士が、顔を見合わせられることも、コーナーソファのポイントです。1人掛けから、2人掛けや3人掛けサイズのストレートソファを、L字に配置させる方法もあります。
ローソファ
ローソファは、脚の有無に関わらず、背が低いソファです。床へ座る感覚に近づくため、落ち着いてくつろげます。普通の高さのソファに比べて存在感が少なく、部屋を見渡した時に視界をさえぎりません。そのため、部屋が狭い印象になることを防げます。狭い部屋に、大きめのサイズを配置しても、圧迫感があまり出ずにすむでしょう。腰を下ろす位置が低くなることから、立ったり座ったりの動作を、負担に感じることが難点です。
フロアソファ
ローソファとよくごっちゃにされるのが、フロアソファです。フロアソファは、背の高さに関係なく、脚や台座なしで直置き(じかおき)する種類のこと。なので極端にいうと、背が高くても直置きなら、フロアソファになります。とはいえ、背が高いフロアソファは、まずありません。座面の位置が特に低いタイプは、こたつやローテーブルとあわせて使えますよ。脚を取り外して、フロアソファにできる製品も多いです。
オットマン
オットマンは、ソファではなく、足を乗せる台のことです。ソファの前に置けば、伸ばした足を乗せながら座れます。普通のソファでも、オットマンを組み合わせて、カウチスタイルを実現できるわけです。それにオットマンだと、好きな場所に配置できる利点があります。また、スツール(背もたれが無い1人用の椅子)や、サイドテーブルとしても活用が可能です。ちなみに、フットスツールという別の名前を持っています。
ソファの構造について
ソファーの仕組み
座り心地を重視するなら、ソファの仕組みを簡単にでも理解しておきましょう。どういったパーツが、どのように組み合わさって、ソファの姿になっているのか?です。大まかにいうとソファの中身は「木枠」「バネ」「クッション」からできています。この部分で一般的に使われるパーツを、ザッと下記に解説するので、確認してくださいね。それぞれの特徴が分かると、ソファの選び方に役立ちますよ。
土台は基本的に木枠
ソファの土台として、多くは「木枠」が使われます。木製のフレームですね。本体となるこの木枠に、バネを組み込み、その上にクッションを載せ、全体を張地でおおって、ソファができあがります。張地については、後から詳しく解説するので、あわせてご覧ください。また、木枠のほかにも、パイプ製のフレームを使うソファもあります。
クッションのもとはバネ
バネは、クッションのベースとなるパーツです。座った時などの衝撃をやわらげ、耐久性や座り心地に大きく影響します。よく使われるバネは「Sバネ」「コイルスプリング」「ポケットコイルスプリング」「ウェービングベルト」です。複数を組み合わせて使われることもあります。それぞれの簡単な特徴は、下記の通りです。なお、説明上の「普通」は「基準」となります。
- Sバネ
- Sの字が複数連なるような、波形の金属製バネです。弾力は普通。座面の端がわは硬い。やわらかい座り心地。耐久性は普通。疲れやすさも普通。中央が盛り上がるように反っているタイプは、弾力がアップしている。
- コイルスプリング
- らせん状の金属製バネが、連結しているものを指す。弾力は強い。座面全体の硬さが均一。やわらかさはあまりない。耐久性が高い。ずっと座っていても疲れづらい。
- ポケットコイルスプリング
- らせん状の金属製バネを連結させず、個別に配置したものを指す。コイルスプリングに比べ、やわらかくて、体になじみやすい。立ち座りした時の振動が、まわりへ広がらずにすむ。
- ウェービングベルト
- 糸とゴムでできたベルト状の素材。弾力は普通。座面の端がわは硬い。やわらかさは普通。耐久性は低い。疲れやすい。金属製のバネに比べて、静かで軽い。多くは低価格。
クッション部分の素材
クッション部分は、一般的にウレタンフォームが使われます。バネの上に補強材または保護材を張って、その上にチップウレタン、次に通常のウレタンを載せ、樹脂綿を張るという流れです。チップウレタンは、ウレタンを細くバラバラにしてから、接着剤を混ぜて圧縮し、固めたものになります。通常のウレタンより、へたらないことが特徴です。ほかにもシリコンフィルや、高価なソファでは羽毛などが、クッション素材に使用されます。
ソファ張地/素材の種類
張地はソファの表面
ソファーの表面をおおう素材を「張地(はりじ)」といいます。張地は、見た目、お手入れのしやすさ、触れ心地などに関わるため重要です。そして張地は「ファブリック(布地)」「フェイクレザー(人工の合皮)」「レザー(天然の本革)」と3種類に分けられます。それぞれのおもな特徴は、下記の通りです。どの張地が最適か検討してみてください。
ファブリック/布地
「ファブリック(布地)」は、色のバリーションが多くあり、カジュアルな印象です。触れ心地と通気性がよいので、気持ちよく座っていられます。室温の影響を受けないことから、夏や冬でもソファの温度が変わりません。そして安価です。ただ、汚れが染み込みやすく、落としづらいことが難点になります。カバーを掛けて使うか、取り外して洗濯できるカバーリングタイプがよいでしょう。
フェイクレザー/合皮
「フェイクレザー(人工の合皮)」は、安価ながらもレザーに近い見た目です。人工物なので、色のバリエーションが多いこともポイント。クールやシック、かっこいい系の印象です。汚れは染み込みづらく、落としやすいという利点があります。でも、通気性はいまいちで、ムレやすくて夏はベタつき、冬は冷たさを感じる素材です。それと使っているうちに、劣化が目立ってきます。
レザー/本革
「レザー(天然の本革)」は、人工物では到達できない、高級感と美しさを備えています。色は、仕上げ方にもよりますが、レザー本来の色あいのみです。フェイクレザーに比べ、通気性がよくてムレづらい利点があります。汚れは染み込みづらく、落としやすいです。耐久性もエクセレント。定期的にちゃんとメンテナンスをおこなえば、長く使い続けられるうえ、レザー特有の味が増していきます。難点は、高価なことです。
カバーを掛けると安心
ファブリック張地のソファは、カバーを掛けると安心して使えます。摩耗による劣化や、汚れの付着と染み込みなど、ソファへの表面的なダメージを、カバーが防いでくれるためです。張地が脱着できて、洗濯も可能なカバーリングタイプもありますよ。ただし、人工と天然ともにレザーの張地には、カバーを掛けることは向いていません。ソファカバーについては、下記リンクの記事で詳しく解説しています。
ソファの色やデザイン
部屋の全体像をふまえる
ソファは存在感が大きな家具です。そのためソファしだいで、部屋の印象がガラッと変わるもの。ソファの色やデザインは、部屋の全体像をふまえて決めます。ほかの家具とのバランスがチグハグだと、素敵な部屋にはなりません。単体で見たら、おしゃれな色合いやデザインのソファでも、部屋にマッチしていなければ浮いてしまいます。テーマが決まっている場合は、その内容にあわせて色やデザインを選びましょう。
色の3大エレメント
部屋のカラーコーディネートにおける色は、下記の3大エレメントに分けられます。ソファに適したエレメントは、表現したい部屋の雰囲気によって変わりますが、基本的に「アソートカラー」として色合いを考えると、あわせやすいですよ。「部屋が狭いなら、ベースカラーのソファで目立たなくして、空間を広く見せる」「部屋が広い場合は、アクセントカラーのソファで目立たせて、メリハリをつける」という方法もあります。
- ベースカラー(基調色)
- 部屋の中でもっとも多く使われている色。天井や床、壁などの色が該当する。ベストな配色の割合は、全体の7割ほど。
- アソートカラー(配合色)
- ベースカラーの次に、部屋の中で多く使われている色。また、ベースカラーの補助的な役割をして、全体の調和をはかる色。家具などの色が該当する。ベストな配色の割合は、全体の2.5割ほど。
- アクセントカラー(強調色)
- 強調色や差し色のこと。小物などの色が該当する。ベースカラーやアソートカラーとは、別系統の色を使う。ベストな配色の割合は、全体の0.5割ほど。
デザイン性が高いソファも
デザイン性が特に高いソファもあります。「有名なデザイナーが手がけた、デザイナーズソファ」「世界的に有名なブランドのソファ」「状態が良いまま完成から100年以上が経過し、高い価値があるとみなされる、アンティークソファ」などです。部屋で目立つソファだからこそ、デザイン性に強くこだわるのもグッド。ただ、これらは高価です。下記のものなら、安く購入できますよ。
- デザイナーズソファの代わり
- 意匠権が切れたものを復刻した、リプロダクト/ジェネリック品。
- 世界的に有名なブランドのソファ代わり
- ブランドへの憧れは諦めて、手が届く価格帯の店で、自分がベストだと思うソファを探す。
- アンティークソファの代わり
- 本物のアンティークではなく、アンティークのように見せた、アンティーク“調”や“風”。
まとめ
ソファの選び方のポイントをおさえることで、失敗を防げます。解説してきた、種類と構造、内部や張地の素材、色とデザインについて、理解を深めましょう。そして用途をはっきりさせます。さらに別の記事で解説している、サイズについての内容をあわせて検討すれば、最適なソファを見つけられるはずです。それと下記リンクより、ソファに関するいろいろな記事をご覧いただけます。ソファ探しに役立ててくださいね。